第 6 章  試 合



双子たちは侍従長タラガンに案内され、書庫へと足を踏み入れました。タラガンが2人の背後でかちゃりと扉を閉めました。革張りの書物が壁いっぱいに広がり、頭の高さより2段ほど高い書架にみっしりと収められています。いくつもの書卓、椅子、ベルベット張りのソファの上にも乱雑に書物が積まれています。スランドュイルは片手に書物を開き、もう片手にワインのグラスを持って、2人を背にして立っていました。スランドュイルがぱたんと本を閉じて、2人のほうに向きなおりました。

エルラダンはふと、スランドュイルが彼の下の息子と実によく似ていることに気付きました。しかしスランドュイルの表情は険しく、その瞳には年輪が刻まれ、この世に倦んだような色が宿っていました。

「飲むか?」スランドュイルが2人に尋ねました。

「いただきます。殿」エルラダンとエルロヒアは同時に王に答えました。2人を見やってスランドュイルがほほ笑みました。「タラガン」スランドュイルが侍従長を呼びました。

王の侍従長が大きなキャビネットを開け、グラスにワインを注ぐと双子たちに手渡しました。

「座れ」スランドュイルは手のひらで椅子を指しました。双子たちは2つ椅子を選んで腰を下ろすと、スランドュイルも背もたれのない低い長椅子へと体を沈めました。スランドュイルはリラックスした姿勢で片手を後ろにつき、足を組みました。「今夜の競技だが、闇の森の武具係はそなたたちに合うものをみつくろったかな?」スランドュイルが聞きました。

「はい、それはもう」エルラダンが答えます。

「大変よくしていただきました」エルロヒアが言います。

「よろしい。なぜ私がここにそなたらを呼んだかわかるか?」

「北方で偵察してきた内容に関することでしょうか?」エルラダンが言いました。

「聞くに値する内容、と言ったな」スランドュイルが言いました。「ナインの耳に入れる前に聞いておきたい」

「あの地方の地図はありますか?」エルロヒアが聞きました。

「ああ、これだ」スランドュイルは立ち上がると、机の上の山から大きな巻物を引っ張り出してきました。巻物を広げると、別の書物を重しにして両端を押さえました。

双子たちは地図を眺めました。「イムラドリスを出てから、私たちはこのルートを北にとって霧降山脈の西側を進みました。それからグンダバット山の近く、この地点で山越えを」エルラダンの指が地図上の地点に沿って動きました。

「そこからはグレイリン川を上ってエレド・ミスリンに入りました。此処と此処のルートではできるだけ身を潜め、北の荒地へと抜けました」エルロヒアが続けます。

「その後はご承知のように、私たちは南に向かってエスガロスに入りました」エルラダンが話を締めました。

「…… で?」スランドュイルが尋ねます。

「多数のオークがグンダバッド山に集結しています。エレド・ミスリンではそこかしこに巣穴を掘って住みついていました」エルロヒアが言いました。

「森の川沿いではオークの集団に出くわしました」エルラダンはそう言うと眉を寄せながらもにっと笑ってみせました。「やつらの主がこの一団から報告を受けることは永久にありませんがね」

「よろしい」スランドュイルが低い声で言いました。「その情報はこちらにも届いている。闇の勢力がまた動き始めたというのは確からしいな」

「もっと良くないことがあります」エルロヒアが言うと、スランドュイルが問うように眉を上げました。

「複数の竜が南下していると言う噂です」エルラダンが言いました。「我々は、一匹の冷血竜がグレイリン川の源流近くにいたのをこの目で確かめました」

「…… もし私が偵察隊を出すといったら、そなたら、隊をその場所まで先導できるか?」スランドュイルがたずねました。

「喜んで …… とは言いがたいですね」エルラダンが答えます。「我々もこれはすぐ父に知らせなければと思い、帰途についたのです。いまあの場所に戻れば相当な時間をとられます。ですが …… ええ、巣がある場所はもちろん承知しています」

手首のところで手のひらを曲げ、あごをさすりながらスランドュイルはいったり来たりし始めました。「…… このことはきっとナインも知っているのだろうな」

「そうですね」エルロヒアが言いました。「あの場所はナインの宮殿からそれほど離れておりません。私どもはまずナインの宮殿に休息を求め立ち寄ったのです。彼の臣下にはよくもてなして頂きました。ナインはもう此処に向けて旅立ったあとでしたが」

「やつは我々の助けが必要という訳か」スランドュイルが言いました。「間違いないな。だがなんでそう言うのにあんなにもったいぶるのか、それが解せぬのだ」

「王を試しているのでは?」エルラダンが言いました。

「あぁ、やつにはずいぶん試された気がするぞ、王としての尊厳をな」スランドュイルは疲れたような表情を見せました。「これまであんな無作法な来賓を迎えたことは一度たりともない!」スランドュイルはそこで一瞬口を閉じました。「まぁ、お前たち2人以外ではな」

王の冗談にエルロヒアとエルラダンが気安く笑ったので、スランドュイルもふと表情を和ませました。

「過去のことはもう水に流した」スランドュイルが続けます。「今はエルフ同士、連帯が必要だ。そなたらはナインの一族に関するロアダンの予言を知っているか?」

「いいえ」双子たちが答えました。

「私もつい最近、ナインの顧問トゥロアから聞いた。その予言者は、竜がナイン家とその親族を滅亡させる、と語ったのだそうだ。聞いたときにはあまり真面目には取り合わなかったのだがな。ロアダンの予言は外れたこともある。それに長いあいだあの地域で竜が見られたこともなかった」

「私どもが実際この目で目撃したとなれば良い話ではありませんね」エルロヒアが真面目になって言いました。

スランドュイルは首を傾けながら、双子たちをじっと見やりました。「ところでそなたら、父君の館では武芸だけでなく学問も多少はやったのか?」

「もし私たちの師エレストールがその質問を聞いたら、彼はかろうじて、と答えるでしょうね」エルロヒアが笑いました。「兄のほうが学問の道には通じています。しかし、ええ、父は僕たちの成績に満足しています」

スランドュイルは一冊の書物をエルラダンに差し出しました。それは2人が部屋に入ったときスランドュイルが手にしていた書物でした。色の濃い革表紙には金で流れるようなエルフ文字が刻印されていました。

エルラダンはその書を受け取って眺めました。「クゥエンヤ語ですね」エルラダンが言いました。「この書は学者モーランドの手によるもので、題は『ケレブリンボールと偉大な力の指輪の造られたことについて』。父の書架にもこれの写本があります。柊郷のエルフ鍛冶が作った低位の指輪について、サウロンがどのようにドワーフと人間たちに指輪を与えたか、心を捉えようとしたかが記されたものです。実際にはサウロンは意図どおりにドワーフ族を動かすことはできなかった」

「その通り」スランドュイルが言いました。「ケレブリンボールの造った指輪のうちのひとつが彼から直接、デュリンに贈られたという噂もある。そしてその指輪はサウロンの力をもってしても、その手に戻ることはなかった。この指輪の形状、細工について、この古代の書に記述があったかどうか、そなた覚えているか?」

「ええ、あります」エルロヒアが突然口を挟みました。スランドュイルとエルラダン両方が振り向いて彼を見ました。「あぁ、一度エレストールに論文を書かされたんです」双子の弟はにっこりして言いました。「その指輪はダイヤモンドとエメラルドを嵌めこんだ、重量感ある金の指輪だったと思います。内側にはエルフ文字でその名が刻まれている」

スランドュイルが思慮深げにうなずきました。「大変結構」彼は言いました。「この件がすっかり片付くまで、もう少しそなたらの助力が必要だな。それとそなたらの父の協力もだ。連帯を固めるときがきたようだ」

「王よ、お役に立てれば光栄です」エルラダンが言いました。

スランドュイルは一歩前に進むとエルロヒアのあごを手に取り、やさしくその顔を右に左にと傾けました。「そなたらの母を知っている」彼は言いました。「遠い昔の話だ。そなたらの顔を見ると彼女の顔を思い出す。そなたらの父の顔もな」スランドュイルの声は優しげで、エルラダンは何か不思議な気持ちになりました。「そなたらがここにやってきたのは偶然ではなく、なにかの前兆、そう小石ががけ崩れになるようなものなのだろうな」そう言うと、スランドュイルはふと命令口調になって2人に告げました。「今夜はよく闘うのだぞ。ナインにエルフ戦士の意気を見せてやれ」

「できる限りのことをさせて頂きます」エルラダンが言うとエルロヒアもうなずきました。

「それからもうひとつ」スランドュイルが言います。「私の館ではおとなしくしているんだぞ。わかったか?」

「できる限りのことをいたします」そう言ったエルロヒアの目は悪戯っ子のように光り輝いていました。


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湿った風が東から吹き込んで、円形闘技場の旗をひらめかせています。闘技場では数百人のエルフたちが笑いさざめき、鈴を鳴らすような声で語り合いながら集っていました。たそがれ時の濃い紫に空が染まり、重くたれさがった雲のあいだから顔を見せた、数えるほどの星が弱々しく輝いています。闘技場に光が行き渡るよう、数名のエルフが大きな松明をいくつも据えつけています。

エルロンドの息子たちと兄フェレディア、そしてレゴラスが並びたちました。双子たちを見やったレゴラスは、闇の森の武具係は双子たちの戦装束を見事にしつらえたなと思いました。金属の肩当てと胸当て、その下では鎖帷子がひざまでたれています。皮製の篭手はひじに届くほど長く、どっしりとしたブーツと金属のすね当て。銀の兜から編みこまれた黒髪が背に流れています。

レゴラスとフェレディアの甲冑は双子たちのものとほぼ同じしつらえでしたが、王族の証に彼らのものには金の象嵌が施されています。2人はやはり手に両手剣を握っていました。

ナイン王とスランドュイル王が観覧席の階段を上がり、一段高い位置にある天蓋付の台座につきました。レゴラスたちが互いに礼をすると、スランドュイルの合図で王の脇に控えた仕官が角笛を吹き鳴らしました。闘いの前の角笛で、レゴラスの心臓が興奮に高鳴りました。

フェレディアが双子たちに向かって宣言しました。「厳しい戦いを覚悟したほうがいいぞ。今夜スランドュイルの息子たちは軟弱者でないことを証明するんだからな」

エルロヒアがフェレディアの肩にがしゃりと音を立てて手を置きました。「弱さを決めるのは闘いの技量だけじゃない」エルロヒアが笑いました。「スランドュイルの子たちよ、最悪の対戦相手となることを期待しているよ。星が君たちの剣に祝福を与えますように」

フェレディアがふんと鼻を鳴らして双子の弟の腕を払いました。そんな大人気ない兄の様子にレゴラスは笑みを抑えられませんでした。

仕官がひとり競技場に入ると、エルロンドとスランドュイル双方の子息の模範競技の開始を宣言しました。片方の勝ちが明らかになるまで勝者は決まりません。判定を決するのはナイン王と彼の顧問たちです。

4人は剣を閃かせ、台座にいる2人の王に向けて敬意を表しました。それぞれが間を取り、対戦相手と向き合います。進行役のスランドュイル兵が2名、試合場の中央に進み、2組の剣先のあいだで剣を垂直に抜いて掲げるとすばやくその場を退きました。対戦者が円を描くように動きはじめました。

レゴラスは全精神を目の前の戦士に集中させると、もう自分の兄を気にする余裕はなくなりました。レゴラスはペレジルたちが兜をかぶる前からエルロヒアはこちらに違いないとあたりをつけていました。いまとなってはどちらが相手でも戦うしかありません。2人はしばし互いの周りを誘うように動くと、レゴラスが突然エルロヒアに重い一撃を加えました。エルロヒアが剣でレゴラスの攻撃を受け止めます。

「切り込みが素早いね、スランドュイルの息子よ」エルロヒアが笑います。

レゴラスは横に退きましたが、エルロヒアはその動きを見越したように、レゴラスに向かって剣を打ち下ろしました。レゴラスは身をかがめてエルロヒアの刃を避けると、自分の刃を上方に向けて突き上げます。エルロヒアは剣を片手に持ち直し、受けた刃をそらしました。

レゴラスの耳に兄フェレディアとエルラダンが剣をまじえる重い金属音が届きました。視界の隅で2人が動くのが見えました。エルラダンは力強い剣さばきでフェレディアを後方へと追いやっているようです。闇の森の長子に観客席から声援が飛んでいます。

「フェレディア、こっちだ」レゴラスが兄に声をかけました。「後ろを守る」兄がじりじりとレゴラスのほうへと向かいます。

一対一の対戦をすると相手のことがよくわかる、レゴラスは常々そう思っていました。特に相手の性格は追い詰められたとき、はっきりと現れるものでもありました。レゴラスが予期していた通り、エルロヒアは素早く柔軟で、注意深いタイプでした。彼は足幅を広く腰を落とし重心を固めた姿勢で、レゴラスの側の不用意な動きをゆっくり待ち構えているように見えました。

エルロヒアが突然後方から剣を大きく振りかぶって力のこもった一撃を加えました。レゴラスは頭上でそれを受けたものの、後ろに数歩よろめきます。それでも王子はひらりと身を翻してエルロヒアの背後に回りました。エルロヒアもなんとかレゴラスの動きにあわせて振り返ることができましたが、レゴラスの一撃はエルロヒアの肩当てを掠めました。閃光がきらめきました。

レゴラスに向かってエルロヒアが言います。「それじゃあ僕を負かすには足りないよ、美しいレゴラス」

息を切らしながらレゴラスは頷きました。実際エルロヒアは油断ならない、予測ができないエルフでした。あるときは慎重、でも次の瞬間にはライオンのように襲い掛かってくるのです。王子は体勢を低く構えて剣を握りなおすと、エルロヒアの胸部に向けて、剣を斜め上に切り上げました。ペレジルは一歩体を引いて身をかわします。と同時にエルロヒアの剣がレゴラスの切っ先をとらえ、横へとさばきました。

エルロヒアがにやっと笑うと、舌で唇を舐めました。「近いよ、王子ちゃん。君の剣はなかなかだね」

「武技の道は時間をかけてしっかり鍛えられたからね」そう言うレゴラスの顔には大きな笑みが広がりました。

「もっと色々なことを僕が教えてあげる。訓練すれば君はもっと良くなるよ」

「それはどうかな? 我が戦士よ」斜めに大きく2歩下がりながらレゴラスが言います。

「君は左が強すぎる」エルロヒアが左側にフェイントをかけながら言いました。「矯正しようと思うなら僕が教えてあげる」そう言ったかと思うとエルロヒアは隙を突いて脇に一歩踏み込み、右から、左からと激しくレゴラスに剣を浴びせました。闇の森の王子は円形闘技場の端に向かって追い込まれていきました。ペレジルの剣がレゴラスの胸当てを捉え、大きな音が響きます。

「今のはずるい!」動きを止めたレゴラスが額から流れる汗を手袋でぬぐいながら言います。

「恋愛と戦争ではどんな手だって卑怯じゃない」エルロヒアがにっこり笑って言いました。

「エルロヒア!」エルラダンが声をかけました。「その森エルフといつまでも遊んでないでそろそろ決着をつけたらどうだ? そろそろ夕食にありつこうじゃないか」

「親愛なる兄上、そっちもたいして優勢にはみえないよ!」エルロヒアが言い返します。

「それはここまでの話」エルラダンは軽く言い放ちました。

がちんがちんという打撃の音がレゴラスの耳に入りました。観客がまた歓声を上げ始め、なかには不満の声も聞こえます。レゴラスが横を向いた拍子に目に入ったのは、エルラダンがフェレディアを試合場の端に追いやっているところでした。エルラダンの力強い打撃にフェレディアがたまらずひざをつきました。エルラダンの剣がひゅっと空を切り、フェレディアの喉元で止まりました。

フェレディアはエルラダンをにらみつけました。それからゆっくりと手を上げるとフェレディアは言いました。「…… 降参だ」

耳が聞こえなくなるほどの大きな雷鳴がとどろき、大きな雨粒がレゴラスの頬に落ちてきました。エルロヒアの切っ先がしゅっと耳の横をかすめます。レゴラスはくるりと回って自分の剣先を持ち、エルロヒアの打撃を十文字に受け止めました。エルロヒアが着実に体を前に押していくと、レゴラスの剣はじりじりと頭の上のほうへと動きました。互いに一歩も引かず押し合っていると、2人の顔は数インチの距離にまで近づきました。あの、濃い色に縁取られた悪戯めいた瞳は、いまやレゴラスのすぐ目の前にありました。雨の勢いが強まりました。雨粒が2人の足元に叩きつけられ、兜のひさしからは水滴がしたたっています。

「…… 君が欲しい」唇に触れそうな距離でエルロヒアがささやきました。「僕に降参して。後悔はさせない」

レゴラスは虚を突かれました。胸がざわめき、一瞬レゴラスは集中力を失いました。瞬間エルロヒアが強く体を押し、レゴラスは後方に倒れました。エルロヒアの剣がレゴラスの体を追いました。レゴラスは濡れた地面を転げて剣をよけると、レゴラスの体のすぐ横にエルロヒアの刃が突き刺さりました。

王子の足が大きな弧を描いて、エルロヒアのひざを後ろから蹴り上げました。エルロヒアが倒れ、レゴラスは身を翻して双子の弟の体に跨り、ペレジルの胸部に全体重をかけました。エルロヒアの肺から呼気が押し出され、大きく息を吐く音が聞こえます。レゴラスはエルロヒアの上腕を地面に押さえ込み、勝利の快感に酔いしれました。

「さあ、降参するのはそっちだ」満面の笑顔で王子が言います。

「ああ、美しい王子よ。それも悪くないね」エルロヒアが言いました。

レゴラスの体の下でほんのわずかだけ、ペレジルが腰を上に突き上げました。ああ神様! レゴラス王子は温かいものが体中を駆け巡るのを感じました。すぐ立ち上がらないといけない、レゴラスは思いました。これ以上対戦相手の体の上からどかないのは明らかに不自然です。しかしレゴラスの身体は魔法にかけられたように動かすことができませんでした。

そのときエルロヒアが大きな声で言いました。「スランドュイルの下の息子に降参!」

レゴラスは立ち上がると自分の剣を拾いあげ、勝利の仕草で頭上に剣を振り回しました。観客が歓声を上げています。エルロヒアもすっと立ち上がってレゴラスに一礼します。フェレディアとエルラダンがやってきて2人の横に並びました。雨足はさらに強まり、観客のエルフ達は大雨からのがれようとその場を去り始めました。

「闇の森に勝ち点1、イムラドリスに勝ち点1と宣言する」ナインが告げました。「引き分けだ!」ナインがスランドュイルに向き直りました。「全員よく闘った。腕力、スピード、戦略、申し分ない」ナインが言いました。「まことに素晴らしい闘いであった」

スランドュイルが答えました。「うむ。レゴラスはよく任を果たしたといえよう。普段はフェレディアのほうがよくやるのだ。しかしペレジルの腕には驚いた。これは認めてもよろしい。しかしナインよ、とりあえず戻って、濡れずに済む場所で話の続きをしようではないか」

2人の王はお付きの者達と席を立つと、急いでスランドュイル宮殿へと向かいました。







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